
2013 – 2014
一場春夢
Project Outline


2015年は米子市の農地を舞台に大規模なランドアート《一場春夢》を制作しました。カーンは、2014年に米子を訪れた際、弓ヶ浜半島の耕作放棄地をおおいつくす美しい黄色の花「セイタカアワダチソウ」に着目しました。その後の調査でセイタカアワダチソウは北米を原産とし戦後日本に根付いた外来植物であること、さらにその旺盛な繁殖力ゆえに多くの問題をはらんでいることを知ります。そして滞在中に休耕地に繁茂するセイタカアワダチソウを刈り込み「一場春夢」という文字を描くプロジェクトを展開。耕作放棄地の問題点やセイタカアワダチソウを生態学の観点から問い直すシンポジウム、セイタカアワダチソウによる染色ワークショップ、個人所有の飛行機をご厚意で飛ばし、上空から「一場春夢」の完成を祝うイベントなども行いました。マイナスのイメージを持つ素材と格闘し、プロセスを地域の方々と共有していくことで、この土地の未来を考えるプロジェクトとしました。
2014年、韓国出身・カナダ・バンクーバー在住のアーティスト、カーン・リーは、原万希子のキュレーションのもと米子を訪れリサーチを実施。「野波屋」での作品展示に加え、2013年に制作された映像作品《Hearts andArrows》をマジックアワーの中海湖岸で上演。バンクーバーの日の出と中海の夕暮れという空間と時間が交錯する、体験したこのとのない情景を風景に刻みました。
※この作品は「鳥取藝住祭」(2014-2015)の参加プログラムとして制作・発表しました。
2014
【滞在期間】 | 10月10日~10月20日 |
【成果発表】 | 10月17〜19、25、26、31日、11月1〜3日 |
【パブリック・プログラム】 | 11月23日 ワークショップ |
2015
【滞在期間】 | 11月6日〜12月1日 |
【成果発表】 | 11月22〜29日 |
【パブリック・プログラム】 | 11月8日 アーティストトーク+シンポジウム「耕作放棄地について考えよう」 11月15日 ワークショップ「セイタカアワダチソウでTシャツを染めよう」 |
【関連イベント】 | 11月24日 まちトークvol9 坂口恭平「自分の経済をつくる」 11月28日 関西広域連合AIRシンポジウム |
Artist Profile

カーン・リー Khan Lee
ソウル生まれ、カナダ・バンクーバー在住。
韓国のホンイク大学で建築を学んだ後、バンクーバーのエミリーカー美術学校で美術を学ぶ。形態、素材や内容を実験的に取り扱い、パフォーマンス、彫刻、メディアアートなど多岐に渡るアート作品を制作。国内外の展覧会に参加。
AIR475 2014、2015招聘作家
Curator Profile

原 万希子 Makiko Hara
キュレーター
カナダ、バンクーバー在住。2007年に国際現代アジアアートセンター、CentreAのチーフキュレーター就任を機にカナダに移住、2013年に独立。90年代よりカナダとアジアを繋ぐアートプロジェクトを数多く手がける。最近の主な業績は、スコシアバンク・ヌイ・ブロンシュ(2009,トロント)、鳥取藝住祭AIR475(2014-2015,米子)、黄金町バザールー仮想のコミュニティ・アジア(2014,横浜)、マッシュアップ:近代文化の誕生展(バンクーバー・アート・ギャラリー、2016)、AIR475(2016,米子)、105本の菊の花(若山美術館,2016,東京)など。2017年より秋田公立美術大学国際交流センターアドバイザーに就任。