2023 – 2024

あなたはもう思い出せない

Project Outline

鎌田友介はこれまで、歴史的な理由で海外(韓国、台湾、ブラジルなど)に存在する「日本家屋」を調査し、それを通してみえる近代史の忘却について問題提起した作品を制作してきました。米子を訪れた鎌田は、加茂川に沿った旧市街地で同時代に造られた町家建築が解体されていく現場に遭遇します。大規模な戦災や天災を受けなかったこの地域の町家建築は、現在700棟ほどが残り、400年前に構築された街の構造は今も変わらない。しかし、少しずつ古い形はその姿を消し続け、緩やかに壊れつつあります。2023年から1年かけそのような米子における「日本家屋」を記録に収め、写真と映像作品を制作し展覧会にまとめました。作品を通して投げかけられた「記憶の忘却」について抗い、歴史への回路を開く試みは、この地域に生きる私たちへの問いかけとなりました。※この作品は「鳥取藝住祭」(2014-2015)の参加プログラムとして制作・発表しました。

2023

【滞在期間】11月4日〜15日 12月6日〜15日
【パブリック・プログラム】アーティストトーク 11月10日
報告会 12月10日
米子高専建築学科特別ゼミ 12月13日 ゲスト:和田嘉宥

2024

【滞在期間】5月22日〜27日 7月13日〜21日 8月2日〜10日
【成果発表】7月19日〜8月4日
【パブリック・プログラム】ギャラリートーク 7月19日
アーティストトーク 7月20日 ゲスト:三田村光土里
失われゆく建築研究所 会期中の土日 
まち歩き&トーク 8月3日 ゲスト:五十嵐太郎
【関連イベント】Art &Breakfast@ヨナゴミュージアム 7月21日

Artist Profile

Yusuke Kamata

2023、2024招聘アーティスト 1984年生まれ。2013年 東京藝術大学大学院先端芸術表現修了。歴史や社会の状況を反映するとともに、国家の文化やアイデンティティ形成のツールにもなる建築をテーマに美術と建築を横断する活動を続ける。近年は日本占領下の韓国や台湾で作られ日本家屋やアメリカ合衆国で焼夷弾実験のために作られた日本村の設計などの調査を通し、異なる歴史的背景と場所において日本家屋が孕んだ多様な意味を描き出すプロジェクトを手がける。近年の主なグループ展として、《ホーム・スイート・ホーム》国立国際美術館(2023)、《Collection Highlight》福岡市美術館(2023)、《福岡アートアワード受賞記念展》福岡市美術館(2023)、《買上展》東京藝術大学美術館(2023)、《Time walking on memory》Oil tank culture park〈韓国〉(2022)、《釜山ビエンナーレ2022》釜山現代美術館(2022)、《メディウムとディメンション-Liminal》柿の木荘〈東京〉(2022)、《Spinning East Asia Series II: A Net (Dis)entangled》CHAT〈香港〉(2022)、《VOCA2022》上野の森美術館(2022)など。
https://www.yusukekamata.com/

Photo Gallery